DVによる接近禁止命令

●30代女性

離婚相談の契機

交際相手と同居していたある日,酒に酔った相手から暴行を受け,大きな怪我を負いました。相手は逮捕され,裁判となりました。相手との縁を断ち切ることを決意したものの,仕事の関係もありすぐに住居を引っ越すことができませんでした。執行猶予付き判決が出ると予想されていたこともあり,このままでは相手がまた自分に近づいてくるのではないか怯える日々を過ごしていました。

業務内容/結果

保護命令の申立てという手段を助言し,この申立てをすることを決意しました。その結果,無事に裁判所から許可を得ることができ,この命令の効力を利用して引っ越しを進め,相手が釈放された今でも相手からの接触は一切ありません。

ポイント・所感

DV被害はそのような環境から抜け出すことが重要になりますが,相手がすぐ近くにいるのではなかなか実現できません。接近禁止命令は,裁判所に対する保護命令の申立てをすることで得られる裁判所の命令の一つです(他にも退去命令や電話等禁止命令などがあります)。保護命令を申し立てられる人には限定があり,交際関係にある場合だと結婚生活と同様の共同生活を営んでいるといえるかというハードルをクリアする必要があります。また,申立てることができたとしても,DVの事実を申し立てる側が立証しなければならず,証拠評価に関する専門的な知識が必要となります。他にも揃えなければならない書類が結構多いです。DV被害でお悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。