遺言書がないとどうなる?思わぬ人が遺産を多く受け取るかもしれないケースとは
「まさかうちに限って…」その油断がトラブルの始まりです
長年、献身的に介護してくれた妻よりも、別居して音信不通だった夫が多くの遺産を受け取る。そんな理不尽なことが、現実に起こり得るのをご存知でしょうか?
「うちは家族仲がいいから大丈夫」「遺産なんて大した額じゃないし揉めないはず」。
そう思っていても、遺言書がないと法律で決められた“機械的なルール”に従って遺産が分けられるため、想定外の人が多くの財産を手にすることも珍しくありません。
遺言書がない場合は「法定相続分」で分けられる
遺言書がないと、遺産は民法で定められた「法定相続分」で分けられます。
主な割合は次のとおりです:
- 配偶者+子:配偶者1/2、子ども全員で1/2
- 配偶者+親:配偶者2/3、親1/3
- 配偶者+兄弟姉妹:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
ここで重要なのは、介護の有無や生前の関係性は一切考慮されないという点です。
「ずっと世話をしてきた」「親の事業を支えてきた」といった努力が、相続の分け方にはまったく反映されません。
遺言書がないことで起きる“納得できない”相続
実際にこんなケースがあります。
- 疎遠な親族が多く受け取る
別居中の配偶者が、介護を続けた子どもよりも多くの財産を相続する - 内縁の妻・夫には権利がない
どれだけ一緒に生活していても、法律婚でなければ1円も受け取れません。 - 介護を尽くした家族が報われない
親の介護を何年もしてきた子が、ほとんど関わらなかった兄弟と同じ割合で分けることに。
「法律上は平等」でも、心情的には大きな不公平を感じるのが現実です。
遺言書があれば防げる3つのトラブル
遺言書があれば、こうした不満やトラブルを未然に防げます。
遺言書のメリット:
- 故人の意思を明確に反映できる
- 遺産分割協議が不要になり、手続きがスムーズ
- 相続人同士の争いを未然に防ぐ
遺言書は、「お金のための書類」ではなく、大切な家族を守るための道具です。
弁護士に相談することで得られる安心
遺言書は自分でも書けますが、形式不備や内容の不備で無効になることも多いのが実情です。弁護士に相談することで、
- 法的に有効な遺言書が作成できる
- 相続トラブルを防ぐための具体的なアドバイスが受けられる
- 遺言執行も安心して任せられる
というメリットがあります。
今こそ、家族のために遺言書を
遺言書がないままでは、あなたの望まない人が大きな遺産を受け取るかもしれません。
「うちは大丈夫」と思っている今こそ、遺言書について考えるタイミングです。大切な家族を守るために、今すぐ遺言書について相談してみませんか?